海や川で子どもの悲しい事故が後を絶たない。子どもが安全に水辺で遊ぶためには、現地での事故予防の対策に加え、教育も欠かせない。だが、学校では教員の負担の重さへの懸念やそもそもどう教えればよいか悩む声もある。長年、水難事故防止のための安全教育を続けている小学校と保育園を訪ねた。
リラックスして水の中で30分 9割達成のわけは
海に面し、川や浜名湖が身近な浜松市。市立船越小学校で、夏休みに入ったばかりの7月下旬、小学5年生の児童たちが学校のプールに集まった。
プールに入ると合図とともに大きな円を描いて同じ方向に泳ぎ始める。平泳ぎでゆっくりと。時々背浮きをして体を休めながら、また平泳ぎを続ける。「頑張れ~」と監視役の教員らが声をかける。
30分後、終了の合図とともに、「やったー」と歓声があがった。ほとんどの児童が、立ったり壁につかまったりせずに泳ぎ続けた。早瀬莉子さんは「プールと実際の海は違うけど、海で何かあったときに今日やったことは役立つと思う」と笑顔で話した。
これは、「30分間回泳」と…